インタビュー

Posted on 2016-08-02
ものづくりの現場から、継続のために必要な考え方


富士電子工業株式会社 代表取締役社長 渡邊弘子

富士電子工業株式会社 代表取締役社長 渡邊弘子

富士電子工業株式会社は、「高周波焼入」という熱処理装置の製造業者。その装置を利用した受託加工をメインに事業展開し、世界の自動車、工作機械、建設機械等幅広い製造業界をサポートしています。
2015年「ものづくり日本大賞 優秀賞」2016年「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選定。ものづくりについて、女性の働き方について、渡邊社長にお話を伺いました。

取材 文 宮崎純代

これからの製造業に大切なもの

——— 創業1960年から今まで製造事業にどのような移り変わりがありましたか?また熱処理加工についてわかりやすく教えてください。

金属系の製品には、素材を溶解したものを型に入れて造る「鋳造」と金属に圧力を加えて強度を高めながら成形する「鍛造」があります。
初期の頃は、加熱装置を幅広く製造していましたが、オイルショック後には競合の多い分野からは撤退していきました。
金属部品を加熱した後、急冷することで、その部品の耐久性や硬度を上げるのが焼入と呼ばれる熱処理です。
熱処理は加熱だけではなくどう冷却するかで仕上がりが違うので、ノウハウや技術がいるのです。当社はそういうある程度自社の技術力によって対応できる難しい案件、値段も付いてくる分野に特化していったという経緯があります。

——— やはり製造業の会社となると他の業態と全然違ってスケールが大きいですよね?

全然違いますね。つくっているもの、世界での競争力の規模が違います。
ですから残していかないと日本の競争力そのものが危ないのです。
昭和の時代はいいものを作れば売れた時代、今は、いいものをつくってもそれだけでは売れないのです。いいものをどうPRするか、どう見せるか、ネットで、また、海外に向けてどうPRするのかがとても重要になってきます。

 

まとまった育児休暇より緩めに無理なく働き続ける

——— 渡邊弘子社長の代になってから社内で変革されたことなどありますか?

私は、リーマンショックの前に社長に就任しました。その後の一番景気の悪い時期に加工工場を新設し、社内評価システムもかなり変えました。ダイバーシティの実践に挑んで、2016年に「新・ダイバーシティ経営企業100選」にも入りました。

働き方については、小学校3年生未満や介護者を抱えている社員には、急な事情で少しの遅刻や早退が必要な時、その都度有給を取らなくても済むように申請により時間カウントで出退勤を管理しています。勤務中の中抜けもおよそ4時間までは可としてディスカウント計算し、その時でも1日出勤扱いで、ボーナスの査定や有給の算定には影響が出ないようにしています。

——— その働き方についてのシステムはいつからでしょうか?

2年前ぐらいからですね。もちろんまとまった育児休暇も取得できるのですが、ブランクが長いと復帰した後になかなか仕事の勘が戻ってこないようです。
それよりトーンダウンしてでもギリギリまで働いて早く復帰した方が本人にとってもスムーズにいくことが判ってきました。

ハードに働く女性だけでなく、裾野を広げて多くの女性が働ける環境を

——— 製造業において女性の社長は1%と言われていましたが…

広い範囲でのものづくりだともっと多くなると思いますが、工場や工房を構えてものづくりされているとなると100人に1人の割合です。

——— ものづくり企業(製造業)の女性経営者の会『ものづくりなでしこ』の代表幹事をされていますね。

『ものづくりなでしこ』は、始まったばかりですね。これから経営者になろうとする人達や経営者になったばかりの人達をサポートしていきたいと思っています。共通の悩みが無いかディスカッションしたり、国に対して変えて欲しいことなどを意見交換したりする会です。
何年か経営者をやってきている人は、様々な問題を克服してきているのですが、克服しきれていない人も沢山いますし、その部分で、壁が高すぎるとがむしゃらに働く特別な女性以外は、継続が無理になってしまいます。

仕事か家庭かどちらを捨てるか、家庭人としての幸せも仕事のキャリアも手にしようと思ったら、今まではかなり無理をしてこなければ駄目でした。
でも、これからは、普通の女性が働けるような環境をつくるというか、裾野を広げていくことが大事だと思うのです。

(技術について、女性の働き方について詳しい話は、音声を視聴ください)

インタビュー音声

工場動画

富士電子工業株式会社 http://www.fujidenshi.co.jp
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