Blog / 潜入ルポ

Posted on 2015-02-24
真剣勝負のもの作りとはまさに命懸け


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いつ訪問しても誰かが取材している会社、それは、東大阪の鋳造メーカー、株式会社上田合金さん。
特に、月に1回土曜日、銅鏡磨き体験などの工場開放は世界から参加希望者がやってきます。
2014年に社長インタビューで取材させていただく機会がありました。ものづくりのこだわりと面白さ、その難しさについて、様々なオフレコ話も惜しみなく話してくださったことは鮮明な記憶に残っています。
取材メンバーは、社長の人間臭さとその懐の大きさに大いに感銘を受け、銅鏡造り体験と焼き肉パーティーのお約束をして楽しみにしておりました。

ところが、2015年1月のはじめに上田富雄社長が急にお亡くなりになったという思いもよらぬお知らせを受けました。
それでも予定通り1月24日、社員の方々のご厚意と亡き社長に見守られるなか、私たち一行は、銅鏡造りに勤しみました。

その銅鏡造りの工程をやや荒削りですが、テキストと写真、動画にてここに残しておきたいと思います。
特に迫力ある溶解作業は圧巻でございました。

尚、文中に出てくる鋳造に関する用語は、全くの素人ゆえに、かなりベタな表現になっていることを何卒御容赦ください。
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左、銅鏡レプリカ2.4kgさて、銅鏡でも何でも銅で何か作るには元型が必要です。今回は既に砂粘土でオリジナルの素晴らしい型を作ってきている人もいました。
私も紙粘土でお粗末なリボン柄を作ったのですが、断面が山になった勾配になっていないため「抜く作業」が出来ず全く使い物になりませんでした。
写真は昨年取材時に持って帰って参考にするようにいわれた銅鏡レプリカと全く使い物にならなかったお粗末な紙粘土の型。

八咫の鏡レプリカこれは有名な八咫の鏡です。伊勢神宮に置かれているのと全く同じ形のレプリカです。太陽を中心に宇宙を表現したデザインだそうです。
蛍光灯の光の下でもその光加減がとても柔らかです。
昔の人は、ざらざらの銅を磨いて磨いて磨いて、やっと鏡にしたそうですね。それは気の遠くなるような作業です。研磨機も無い時代。こんな大きな鏡だと何ヶ月掛かったのでしょうか?
テレビもインターネットも無い時代ですから時間はあった。昔の人は、とても暇。暇人。それでも苦にならなかったのでしょうと匠が仰ってましたが同感です。

既存の型で造る場合にもいろいろな型があるので、それらを見せていただきました。
銅鏡の柄にも沢山の意味があって面白いです。

銅鏡
小さくて見えませんが、神様と怪獣が描かれている銅鏡の型です。全くわかりません。

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銅鏡造りで私が選んだ型は、荒神谷遺跡のもの。なんとなくシンプルで気に入りました。

IMG_1012それでは、作業開始でございます。
まず、元型を使って銅を流し込むための砂型を作ります。
解りやすく表現するなら、たい焼きの機械を作る前の型造りみたいな感じですね。

この囲いの中に砂を押し込んで入れていきます。中に棒を立たせているのは、銅を入れる入り口を作ってやらなくてはならないからです。
これは小さいので鏡が2つ同時に作れます。

doukyouimg_1081このように最初は砂を漉して丁寧に振っていきます。鏡の型が隠れたら、次もまんべんなく振っていっては空気が入らないように押さえては降り、押さえては降りを繰り返します。

カチカチになったら、細い棒を鏡の型に触れない深さまで垂直に突き刺しブスブス穴を開けていきます。

最後に、その穴に炭酸ガスの圧を掛けて更にカチカチに固めます。圧を掛けるのは均等に。少しでも手を抜いた部分があると砂が崩れます。私がやったのは端の圧が足りずに少し崩れてしまい直していただきました。手前がそうです。持ち上げても砂は崩れません。

砂型

パカッ!!砂型が出来ました!銅を流し込むための道筋は、素人の私たちに出来るわけないので鋳造の匠がやってくださいます。とても美しい道筋です。この写真は、クリックすると拡大します。


ここまでの短縮動画はこちら

銅の溶解
ここから溶解工程。凄いんです。
重たーい銅の固まり、1200度以上に溶解されます。溶解されて出てくるドロドロの銅をセラミックの入れ物に受けてられるところ。

IMG_1078ついに、私たちの砂型に銅が流し込まれます。熱いです!1200度以上ですから。ホント冬で良かったです。ドドドーッと流し込まれる様子を間近にして感動です。
この作業を業界用語で「湯を入れる」というそうです。
流し込みが終わると、銅が固まるのを含めて1時間ぐらい冷まします。

IMG_1061砂型を割って、出来上がった銅鏡(まだ鏡ではないけど)は砂が付きまくっているのでそれを荒い研磨で除いて出てきたものたち。業界用語でショットを掛けると言うそうです。

doukyouimg_1058荒い研磨機というのはこの機械。この中で、まだ砂が付着している銅がゴロゴロ回されてお洗濯されていきます。

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荒い研磨機の中に入っているもの。これが入ってることにより一定レベルまで綺麗になります。

IMG_1062細かいところ、余分な銅が付着している部分を削っていただきます。

IMG_1077磨かないと出来上がりになりませんが、その前の銅鏡、銅剣は、これで完成しました!丸一日掛かりました。当然のことながら難しい作業は殆ど鋳造の匠にやっていただきましたが、それでも大変な作業でした。
昔の人はこのような作業をしていたのですね。勿論、研磨機などなかったのでしこしこと手で磨くしかなかったのでしょう。細かい石など使ったのでしょうか?

短縮動画 溶解から研磨まで

もの作りの大変さと真剣さを思い知らされるような体験でした。

ひとつ間違ったら命を落としかねない作業を黙々とこなされてる職人さん達の姿がとても格好良かったです。

詳しい工程の動画は銅鐸ですが、 →こちらに説明付きで上げてられます。上田社長の話もあります。
そして2014年に取材させていただいた記事は →こちら 上田富雄社長の生前最後のインタビュー記事です。


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