インタビュー

Posted on 2015-02-27
販路の活路はワールドワイドに


極めるWOMAN_01株式会社アルカンシェル

株式会社アルカンシェル代表取締役 石原三早希

株式会社アルカンシェルは、アパレルニット専門OEM・ODMの小ロット生産が可能なメーカー。
移り変わりの激しいアパレル業界において、社員の定着率がとても高い会社です。それは、ひとえに社長のお人柄や経営者としての器、優れたリーダーシップによるものではないかと、今回その秘訣を探ることが出来たように感じます。
聞き手の筆者は、前職がアパレル業のため、専門的な部分も具体的に理解できるインタビューとなりました。数年前より、仕事抜きで何度もお会いしていましたが、二人だけでお話をするのは、これが初めて。内容の濃いお話を伺うことが出来ました。内容は、日本と中国のアパレル事情、アリババサイトでの企業間取引、女性であることで得すること、不利になること、女性活用などにスポットを当てています。

取材 文 宮崎 純代

スタートは、バブル崩壊の時期

———会社を始められて何年になりますか?

17年目です。最初は、勤めていた時のお客さんに企業を紹介してもらったりして一人でやっていました。
以前は、買う側だったのが買ってもらう側になったのでしんどい部分もありましたが、お付き合いのあった企業さんでしたので結構やっていけました。それに独身で一人だったし、食べていけたのですね。でも、一人だとオーバーワークになるじゃないですか。それでアルバイトを雇おうとか、新卒の人を育てようと思ったのです。

———もうすでに、その頃から人を育てようと…

はい。服飾の専門学校に紹介してもらい、その時、新卒で入ってきてくれた社員が17年目になるのですよ。
今は、彼女にいろいろ任せていて、私は、自分の好きな通販やったり化粧品やったり、ようやく出来るようになったのです。彼女が育ってきてくれたお陰で後から入ってきてくれる社員も右へ習えとなり自主的に動いてくれるのです。

会社風景

全て社員に任せて、売り上げだけ確認する

———新卒で採用して、よく17年も続きましたね!

よく続いていますね。新卒で入社の彼女は未婚ですが、女性は、結婚で辞めていく人もいますね。
「結婚しても子どもが出来ても続けたらいいやないの」と言っても家が遠くなったりね…
それで男性社員を採用して、彼は7年続いています。
当初は、男性がレディスニットをするのは難しいとメンズニットの仕事を取ろうとしました。
でも、市場でメンズニットはなかなか商売にならなかったのです。
不景気になるとメンズニットは低迷します。景気が悪くなるとお父さんの服を節約するようになりますからね。

———ええ、うちの家庭もそうでした。

それがここ2年ほどメンズショップも増えてメンズニットの消化率が高くなってきています。レディスには負けますが、メンズニットもいいものが欲しいという需要が増えてきたのです。
私のやり方として、商談もその決定も社員の彼、彼女らに任せているのです。何がどうなっているのかもわかりません。でも、売り上げだけは毎月見ているという状態です。

たとえ売り上げが上がらない時でも、みんなが頑張っているのは目に見えるので、私の給料を下げてでも社員の給料にプラスしたりもしました。それでここまで育ってきてくれたように思います。でも、人を育てるのは難しいですね。

———ひとりで出来る仕事じゃないところがアパレルの難しい部分ですね。サンプルチェックしたり、工場行ったり、いろんな人の手が掛かってやっと出来上がるものですし。

細かいことを凄くチェックしなきゃいけないし、色番やパターンや縫製など、思ったようにサンプルが上がってこない場合もあり大変ですが、やらざるを得ない。
今は、生産はほとんど中国です。
そのように大変でも出来上がってくると”作る喜び”がありますね。

———わかります。やっと出来たって。追加注文もらったら嬉しいですし。
中国での小ロットとはどのくらいですか?

100枚ですよ。例えば1色40枚、2色で80枚、デザイン展開したら160枚になります。
中国は、今、倒産している工場も少なくないですし小ロットでも受けてくれます。
人件費も高くなっています。
テーブルメーカーで数人や一人でやっているところもありますよ。

———テーブルメーカーって?

この製品はA工場この製品はB工場と合わせてやってくれるメーカーです。
今は、スカイプがありますし。もちろん日本語が出来て信頼出来るところでないと怖いですけど。

海外バイヤー対象にアリババの会員サイトで取引

現在、アリババに腹巻きやサポーターなどの商品を掲載しています。
全英訳ページを載せています。最近アリババの決済が出来るようになりましたが、決済はPayPalを使っています.入金確認後、商品を発送しています。
結構、英語で問い合わせがありますよ。英語が解らなくて、スタッフがパニックになったり翻訳機にかけても解らない時はアリババのサポートに訊いたり…

———チャレンジャーですねえ! 普通、ビジネス英語でも出来るようになってからじゃないと…とか躊躇するじゃないですか。

えーっ、と思いますよね。でも私は、パーフェクトじゃないので。ちょっと抜けているのですよ。アリババは1年半ぐらいやっているのですけど、これも度胸ですよ。

———翻訳の力というのも凄いですよね。日本企業だから信用があるという部分も影あるのじゃないですか?

BtoBのバイヤー相手のページですが、一企業のページだけではなく、アリババ全体のページもあって、例えば、腹巻きだと上代1000円ぐらいの安いものがいろいろ掲載されていて上代7000円のうちの腹巻きも載っているわけです。
安いものは安いもので売られていますが、いいものはいいと解って購入いただいています。生産工場の名前も掲載しているのですよ。
勿論、BtoBなので、最低ロット100単位で仕入れ値は上代の半額以下ですね。

腹巻き、肘と膝のサポーターがオーストラリアからオーダーがあるのですが、これは競馬の騎手の方用に需要があるのです。

そのPR動画はこちら

(動画制作ChangeView)

———意外なところに販路があるのですね。海外展開されて良かったですよね。

1年半経って、ようやく見えてきた感じですね。
韓国からの需要もありますし、専属契約の話もあります。病院関係の需要も多いですね。
日本はモノが溢れていますからね。1個のパソコンで世界に発信できるなら、やはり世界をターゲットにしないと、と思っています。

———そのチャレンジ精神は凄いですわ…。

これは、やらざるを得ないのですよ。人の給料も払わなければいけない。失敗するか成功するかわからないし、経費もかかるけれど、やっていれば1つや2つは答えが出ますから。

1人は1人分、2人なら3人分の量をこなせる

———なんといっても社員さんの定着率が良いのが素晴らしいです。

お陰さまで、みんなが頑張ってくれたから。

———17年前は独身だったのですか?

そうです。独り身で身軽でしたが、両親はすでに他界していて、全て自分でやらなければなりませんでした。
今になって、人に来てもらってよかったと思います。
一人は一人だし、二人だったら三人の量をこなせるのですよ。一人でコツコツやったところで一人分です。

———旦那さまは?

結婚して3年目です。

———じゃあ、私が初めてお会いした時は、新婚ほやほやだったのですね!

そうですよ。主人は、パン屋をやっていて店は、もう40年以上になります。現在は息子が後継者として頑張っています。

———初めてお会いした時、「女性は、やっぱりシビアな金銭的交渉ごとになると男性より低く見られがち…」と仰っていたのが印象的でした。

それは、よく感じますね。もちろん、女性だから恵まれている部分もあるのです。でもシビアな金銭部分になるとね… 日本だけかな?

———日本の女の人ってあんまり言わないからじゃないですか。

阿部政権の女性活用推進といっているけれど、まだまだやと思います。
やはり会社に保育室を一室設けるとか、そういうのに補助金出してもらった方がいいですよ。そしたら一度辞めた女性社員が戻って来るから.戻ってきてくれるのは嬉しいじゃないですか。

———そうですね.それにこの会社は、石原さんの子どもみたいなものですしね。

まあ、「生んだ」って感じですよね。子どもがいないから会社にいる人たちが、自分の子どもみたいなものです。

株式会社アルカンシェル企業サイト
http://www.an-ciel.com
http://www.an-ciel.net

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